ご無沙汰です。M1廣瀬です。
7月にある学会のアブスト(論文の要約)が未完成にもかかわらず中京大学文化茶道部さんの『卒業茶会』に行ってきました。アブストのほうは研究員の方に見ていただいて大量のアドバイスをいただいたために見通しが立ってたので何とかなりました。毎回的確なアドバイスで感服してしまいます。
・・・そんなことより卒業茶会です。
昨日、2月7日に名古屋の八事山興正寺の竹翠亭(ちくすいてい)で行われました。11月に行ったお茶会ではぎりぎりに行ってしまったので今回は1席目ということもあり、かなり余裕を持って行きました。ところが今度は思いのほか早く着いたのでさわやかな朝日を浴びながら境内を散策しました。斜面に建っている円照堂の土台からは水が流れ出していて、夏に来ると気持ちよさそうなところでした。この交渉時は中京大学のすぐ裏にあり、学校から10分ほどで本物の茶室がある中京大学はいいですね。
さて、よさげな時間になったので竹翠亭に向かいました。竹翠亭へ向かう坂の入り口に桜が1本、咲いていました。狂い咲きかと思いましたがシキザクラという桜らしいです。
今回の茶会の特徴というと、僕は『復刻版 みの里』というタイトルの手作り冊子です。内容は自己紹介で、位置づけとしては中学校とかで作った卒業文集のような雰囲気です。いろいろ不思議ですが待合では楽しく読ませていただきました。卒業の雰囲気を、ということなのでしょうか。
待合では花びら模様の湯飲みに梅昆布茶が出てきました。この湯飲みは、柄の部分が薄くなっていて光がすけるきれいな湯飲みでした。
さて、この卒業茶会は卒業生の席と春をイメージした席の二つから構成されています。どちらも薄茶席でした。どちらの席も落ち着いたお点前で思わず見とれてしまいました。松雄竜というと、お釜のふたを閉めるときの柄杓の構え方がかっこいいです。卒業生の席のお菓子はあんこが梅の絵が描かれた薄い赤の羽二重もちでまかれたお菓子で、もち持ちした羽二重とあんこがよくあってました。
次の席のお菓子は伏見稲荷の初午が近いということできつねとねじり棒でした。竹翠亭の入り口に桜が咲いていたので桜の花びらかと思ったのですが、きつねらしいです。ねじり棒は口に入れるとやさしい甘さが広がりました。硬いはったい飴のような感じです。さらに、こちらの席のふた置は鳥居が3つくっついた形で三鳥居というものらしいです。お茶碗は志野焼きでした。冬の寒い日にしの焼きは気持ちも暖かくなるような気がします。
二席あったのですがあっという間に終わってしまいました、今年でまだ2回目という卒業茶会ですが、積極的に外部のお客さんを招いてお茶会をはじめられるというのはすごいですね。
お茶会の後、例によって金山の名古屋ボストン美術館に『華麗なるジャポニズム展』を見に行きました。今年初美術館です。18世紀に日本が鎖国を解いた後、西洋には大量の日本の美術品などが流れ込みました。それにより、多くの美術家が影響を受け、さまざまな技法を試してみて自分たちの作品に取り込みました。ある程度自分でやってみないとうまくならないことは多くあるので論文もしっかりやっていこうと決意を新たにしました。
楽しいお茶会でした。中京大学文化茶道部の皆様、ありがとうございました。